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(e)製品の検品・流通加工機能
海外より輸入する消費財の検品作業は、製造物責任法(平成7年7月施行)の制定により、輸入者にとってその重要性が増している。検品作業を行う場所によっては、陸上輸送の費用もかさむこととなる。このような検品作業や流通加工を、外国貨物の段階で行えるような機能を整備することにより、流通経費の削減や関税支払いの時期を遅らすことができ、複合ターミナルの利便性をより一層引き上げることが期待できる。
(f)外貿貨物の検疫・燻蒸機能
地方港の問題として、燻蒸機能の不足が挙げられている。一方、京浜港より外貿コンテナ貨物を地方港に海上輸送するメリットとして、検疫を地方港の陸揚げ時まで行わずに済む特別措置(未検疫コンテナの内航船への積み替え輸送に伴う特別措置)がある。このメリットを享受し、又、地方港に海外より直接輸入される、検疫・燻蒸対象貨物に対応する方策として、検疫・燻蒸機能を複合ターミナルに整備することが考えられる。

 

注)特別措置では積み替えを認める条件として次の5項目を挙げている。
・密閉型コンテナであること。
・貨物が植物防疫法で定める輸入禁止品でないこと。
・積み替え港は法の定める指定港で、積み替えは港頭地域内で行われること。
・陸揚港は法で定める指定港であること。
・輸送中の事故に対し、直ちに必要な措置がとれる体制にあること。

 

(2)通関・保税面に対する留意点
以上、複合ターミナルに求められる機能を列記した。通関・保税面からみると、保税蔵置場のままでも、簡単な検品などの作業は届け出又は許可を得て行うことができるが、より効率的に行うには、他の保税制度の適用を受けることも考えられる。又、FAZの設置計画がある港では、この計画の中に、上記機能を盛り込むことも考えられる。

 

 

 

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